自衛隊合同企業説明会で見えた、働く人の価値観の変化

自衛隊

〜2026年の自衛隊合同企業説明会で、私たちが考えたこと〜

丸吉ロジが毎年参加している自衛隊合同企業説明会。

2026年7月7日(月)、札幌コンベンションセンターにて、自衛隊援護協会主催による「合同企業説明会」が開催されました。
この説明会は、任期満了や定年退官を迎える自衛隊員の再就職を支援することを目的に毎年開催されているもので、今年は任期制隊員向けに160団体、定年制隊員向けに89社が出展。北海道内を中心に、多くの企業・団体が参加しました。
丸吉ロジも毎年参加しているこの説明会ですが、今年は会場に入った瞬間から、例年とは少し違う空気を感じました。

もちろん時間帯やブースの配置など、さまざまな要因があります。そのため、この一日だけで採用市場全体を語ることはできません。
それでも、毎年参加しているからこそ見えてくる小さな変化があります。
物流会社である私たちにとって、この説明会は新しい仲間との出会いの場であると同時に、「働く人を取り巻く社会の変化」を肌で感じられる貴重な機会でもあります。

今回は、説明会で実際に感じたことを数字と現場の両面から整理し、採用市場にどのような変化が起きているのか、丸吉LABとして考えてみたいと思います。

 

数字から見えてきた今年の特徴

今年の説明会には、
・任期制退職予定者 57名
・定年制退官予定者 146名
が参加されました。

一方で出展した企業・団体は、
・任期制向け 160団体(一般企業154社、公的機関6団体)
・定年制向け 89社
でした。

昨年は任期制隊員73名に対し、およそ200社が出展していましたが、今年は任期制隊員がさらに少なくなり、企業数とのバランスはより厳しいものとなっています。
単純計算すると、任期制では隊員一人に対して約3社が説明を行う状況です。

逆に定年制では146名に対して89社と、こちらは隊員数の方が多く、任期制とはまったく異なる状況でした。
同じ説明会でも、対象によって採用環境が大きく違っていたことが印象に残りました。

「人材不足」は企業だけの話ではない

近年、人材不足という言葉を耳にする機会が増えました。
物流業界はもちろん、建設、製造、介護など、多くの業界が人材確保に苦労しています。
しかし今回の説明会を通じて改めて感じたのは、この課題は民間企業だけのものではないということです。
近年、自衛隊でも人材確保や定着率向上に向けた取り組みが進められています。
その背景には少子化や人口減少、働き方に対する価値観の変化など、社会全体の流れがあります。

今回、任期制隊員の人数が少なかった理由を一つに断定することはできません。
ただ、自衛隊もまた、人材を大切に育て、できるだけ長く活躍してもらいたいと考えている組織であることは間違いありません。

企業も、自衛隊も、「人」を大切にしたい。
そんな共通した思いを感じる説明会でもありました。

私たちが準備したのは、「会社説明」ではありませんでした

今年の説明会に向けて、丸吉ロジでもさまざまな準備を行いました。

採用資料を見直し、会社紹介動画を制作・改善し、自衛隊OB社員にも協力してもらいながら、「入社後の姿がイメージできる説明」を目指しました。

これまで同様、私たちが大切にしたのは、「実際に働いている人の声」です。

会社の制度や待遇は、パンフレットにも書けますし、仕事内容も採用担当者が説明できます。

けれど

「入社当初は不安だった。」
「上司がずっと親身になって教えてくれた。」
「今では毎日が楽しい。」

こうした言葉は、実際に自衛隊から転職した社員だからこそ語れるものです。
説明を聞く隊員の皆さんの表情も、OB社員が話し始めると少し変わるように感じました。
後ろで話を聞かれていた上官の方々も、大きくうなずきながら耳を傾けてくださる場面がありました。
改めて、「リアルな体験談」の力を実感した瞬間でした。

「22名在籍」という数字以上に伝えたかったこと

今回の資料には、「自衛隊OBが22名在籍」という情報も掲載しました。

もちろん、人数そのものも安心材料の一つですが、本当に伝えたかったのは「22人いる」という事実ではありません。
それだけ多くの自衛隊経験者が、それぞれの持ち場で活躍し、会社に定着しているということ。
そして、その一人ひとりが今も物流の現場で、新たな役割を担っているということでした。

私たちは、自衛隊で培われた経験には、物流の現場でも生かせる力が数多くあると感じています。
ただ、それは採用担当者が一方的に語るものではありません。
実際に働くOB社員の姿こそが、一番の答えなのだと思います。

「安心」の意味が、少しずつ変わってきているのかもしれない

説明会を終えて振り返る中で、私たちがもう一つ印象に残ったことがあります。
それは、隊員の皆さんが会社を見る視点。
もちろん給与や福利厚生は大切です。会社の規模や知名度も、就職先を選ぶうえで重要な判断材料でしょう。

しかし今回、多くの方とお話しする中で、それだけではない価値観が少しずつ広がっているように感じました。
「実際にはどんな仕事をするのか。」
「どんな人たちと働くのか。」
「自分が培ってきた経験は生かせるのか。」
そんな質問が、これまで以上に多かったように思います。

会社そのものよりも、「そこで働く自分」をイメージしようとしている。
そんな印象を受けました。

自衛隊で培った経験を、次のステージへ

説明会では、自衛隊OB社員が自身の経験を交えながら、入社後のことを話してくれました。
その中で印象的だったのは、「仕事が楽しい」という言葉です。

もちろん、仕事に楽なことばかりはありません。
物流もまた、責任が大きく、安全が何よりも優先される仕事です。

それでも、自衛隊で身につけた責任感や仲間を思いやる姿勢、任務をやり遂げる意識は、物流の現場でも自然と生かされています。

私たちは日頃からその姿を見ているからこそ、「自衛隊経験者が物流に向いている」と一方的に伝えるのではなく、「実際に活躍している人がいる」という事実を届けたいと考えました。
その姿が、これから新しい一歩を踏み出そうとしている隊員の皆さんの安心につながれば、これほど嬉しいことはありません。

説明会は、私たちにとっても学びの場

今年の説明会では、ブースに足を運んでくださった22名の隊員の皆さまをはじめ、多くの方とお話しする機会をいただきました。
また、自衛隊援護担当の皆さまをはじめ、この説明会を支えてくださった関係者の皆さまにも、この場を借りて心より感謝申し上げます。

採用活動というと、「会社が人を選ぶ場」のように思われることがあります。

しかし私たちは、そうは考えていません。

説明会は、企業が選ばれるためだけの場ではなく、「働く人が何を大切にしているのか」を学ばせていただく場でもあります。
だからこそ、毎年参加するたびに新しい発見があります。

丸吉LABは、物流の未来を考える研究所です。
研究といっても、机の上だけで考えるものではありません。
現場で働く人の声を聞き、実際に見て感じたことを整理し、次につなげていくことも、大切な研究の一つだと考えています。

今年の合同企業説明会でも、多くの気づきをいただきました。

人材不足という社会課題。

働くことへの価値観の変化。

そして、自衛隊で培われた経験が民間企業でどのように生かされているのか。

これからも現場の声を聞き、一つひとつ学びながら発信を続けていきたいと思います。

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